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蒸発して加速

それは、処女が公衆の面前で躊躇いもせずに服を脱ぎたいほど暑い夏のことだった。

康太は、愛犬のパトリックを小脇に抱えながら、安楽椅子に腰をかけていた。
安楽椅子の揺れが楽しくて、椅子を1秒間に2往復させていた。

すると、先週貼り替えたばかりのフローリングに30センチ程度の傷がついた。
後にフローリングの貼り替え費用が14万8千円かかることが判明し、母に烈火のごとく怒られ、
恐怖のあまり肌の色が変わってしまい、以後、白人としての人生をスタートさせるのだが、それは後のお話。

康太は13歳。
永遠とも思われる夏休みを満喫していた。

毎日、近くの了方寺で昼までの時間を使って、金象印Y柄ステンレスショベル丸形で、穴を掘り、
昼からはその掘った穴をまた金象印Y柄ステンレスショベル丸形で埋めるというどこかの国では拷問とされていた行為を、ずっと繰り返していたのだが、急に堆肥とヨウリンとカキガラ炭酸カルシウムを撒き、良い土を作り始めた。

そして、作付の2週間前に有機質肥料を敷き、食物の種を撒き、了方寺の食物自給率を急激に高めたのち、火を放った。

康太は燃える火を見ながら、2日後の夜の献立を予想していた。
困難な予想をするときの康太は、無意識に利き手と逆の親指を舐める癖があった。
親指を舐めながら、献立を想像しながら、盗んだバイクで「ながら運転」をしながら走りはじめ、越前ガニの漁にでかけてしまった。
その後の康太の行方は誰も知らないはずだったが、フローリングの貼り替え費用の件で、母が最寄りの警察署に捜索願を出し、6日後に富山で保護された。さらに2日後、康太は白人になった。

了方寺の火の勢いは、留まるところを知らず、了方寺から南西方向にあった新築2年目の沢渡秀雄さん(34歳)の家にも飛び火した。沢渡秀雄さん(34歳)は、マイホームの火事を知らずに帰宅してしまい、一酸化炭素中毒で帰宅後8秒で倒れた。

了方寺から北東方向にあった築32年目の山平太一さん(66歳)の家は、2日前に偶然、
火災保険の本契約を済ませたばかりだったので、燃える我が家を見つめながら、バリアフリーの新しい我が家に夢を馳せた。
その横で嫁の花代(57歳)に向かって木片が爆ぜた。

57歳の花代は思わず着ていた首の回りがダルンとしたTシャツを脱ぎすてた。
ベージュの薄汚れたブラジャーから食み出た肉に汗が滲んでいた。

それは、処女が公衆の面前で躊躇いもせずに服を脱ぎたいほど暑い夏のことだった。
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