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タイトル。それは後で決めよう2

電話の主は、両親でした。
最近は世の中が物騒であるということ、米はまだあるのかということの確認のみして、電話は切れました。

会話をしたせいか、頭が冴えてきました。

僕は、でかける用意をはじめようと思いました。
ちょうど、僕の部屋の真下からもごそごそ動く音が聞こえます。
どうやら「収入源の分からないおっさん」が起き出しているのでしょう。
そのおっさんは、アパート内なら誰でも知っている人物です。
なぜなら、そのおっさんの毎朝の日課の中に、アパートの住人を見送るというスケジュールが組み込まれているためです。
おっさんは毎朝、誰よりも早くアパートの外に出て掃除をしながら、住人に声をかけるわけです。
僕も「今日はいつもより早いね」なんて声をかけられ、最初は驚きながらも軽く会釈をする程度でしたが、おっさんの話し方や表情に妙な人懐こさがあるせいか次第に、二言、三言会話を交わすようになりました。
他の住人の人も同じような印象らしく、入居したての頃は胡散臭がっていたり、気持ち悪がっているような目つきでおっさんを見たりしていますが、1ヶ月もたつと、僕と同じように会話をしていたり、少なくとも気持ち悪がったりはしなくなります。
ただ、不思議なことはおっさんが定職についていないであろうということです。
隣に住んでいる兄ちゃんから聞いたのですが、おっさんの朝の見送りは長時間続けられるそうです。
僕はいつも決まった時間にでかけるので、おっさんとは生活パターンが同じなのだろうなぁと思っていたのですが、兄ちゃん曰く、おっさんは、ずっとアパートの外にいるのだそうです。

兄ちゃんは飲食店でバイトをしていて9時出社と11時出社と13時出社の3パターンのシフトで勤務しているそうですが、いつでかけてもおっさんと挨拶をするそうです。

僕はその話を聞いたとき、おっさんはいつ働いて、いや働いていないとしたらどうやって生活の糧を得ているのだろうなぁと感想をもって以来、そのおっさんを「収入源の分からないおっさん」と心の中で呼ぶことにしていました。

アパートのドアの鍵を閉めて、時計を見ると10時半。
目的地まで約4キロ。ほぼ毎日僕は歩きます。
上手くかかとが収まらない靴を床でトントンしながら、アパートの正面玄関に行くと、「収入源の分からないおっさん」が今日はいません。
そうかさっきごそごそしてたから、今日はまだでてきてないんだな。と思いながら、僕はアパートを後にしました。

紅葉の終わり、空気も湿り気がなく乾き、目に映る景色は映画の青いフィルターを通したように青く冷たく映ります。

いつものコンビニで180mlの少し量が少なめのコーヒーを購入し、コンビニの灰皿の前で外国タバコの入った紙袋から一本それを取り出し、煙を虚空に吐き出していると、パトカーが数台、僕の目の前を通り過ぎます。

この季節はいつも交通強化月間だの飲酒運転撲滅月間だので、多くのパトカーや警官が溢れています。今目にしたそれも、年末の慌しさを強調するだけのワンシーンとして僕の記憶の隅のメモリに保存され、取り出されることなく上書き削除されるものだと思っていましたが、それは少し違っていたようです。

パトカーが通り過ぎた2分後、白いダウンジャケットにわずかですが、赤い幾何学模様をつけた人物が僕の目の前を通り過ぎていきました。


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