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「島」 第四回(全五回)

書き手:イトウ

社会人1年目のある日の業務中、あまりに暇なので書いた糞文「島」を転記する第四回です。

第一回はこちら
第二回はこちら
第三回はこちら

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 麓に着くと、H男は兜岳を見上げた。
「もしかしたら命を落とすかも知れんのう」
 饅頭の皮とあんこを丁寧に分けながら足下を見ると、そこにはサングラスをした白骨死体が転がっている。
 賢明な読者ならこの白骨死体が誰のものなのか、もうお気付きだろう。そう・・・これはもちろん”ル・クプル”のギターの人の死体だ。
 
 H男は黙々と岳を登っていく。すると、目前に見えてきたのは数多の気球だった。停泊している気球の一つ一つを見てみるが誰もいなかった。
「S江ー!S江ー!」
 呼べど叫べと返ってくるのは木霊のみなのであった。

 捜索は数時間に及んだ。気が付くと日は落ち始め辺りは薄暗い。H男はその日の捜索を断念し、一旦家に戻ることにした。だが、岳を半分ほど下りたその時、彼の背後でバサリと大きな音が鳴った。

 H男が振り返ると、大きな大きな一つの黄色い気球が木の葉を振り落としながら、ゆっくりと紺色の空へと吸い込まれていくところだった。
 一つの人影をぶら下げた気球は少しずつ小さくなりフワフワと真新しい夜空に消えていく。

 H男は打ち付けられた杭の様に佇み、それを見つめた。彼の手からゲームボーイアドバンスがこぼれ落ちた・・・


(続く)
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