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へらへらボタン 第1回

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至るところにボタンが転がっていた。

ボタンと言っても、洋服についているタイプではない。
昔の映画やアニメで入院患者さんが、看護師さんを呼ぶときに押すような
渋柿にする市田柿の形状のボタンだ。(ちょうど下手の部分がボタンの押すところになっている。)

なぜ至る所にこんなものが落ちているのか?
それは、3日前にアメリカの戦闘機「F-22 ラプター」が47都道府県の上に1県平均1200台程度現れ、
その平べったい胴の上に、紐でかけていた大きな籠からボタンを撒いたからだ。

一籠に10万個ボタンが入っていたと後々発表されたので、その数、1県に約1億2千万個。
ボタンが縦4センチ×横2.5センチ。

東京の面積が2187.58平方キロメートルだから、
東京の面積の半分以上はボタンで埋まるほどのボタンが各県に投下されたのだ。

ボタンが投下された段階で日本の人口は6千万人まで減った。
しかし、政府は遺憾の意を表明したのみで、あとはいつもどおりヘラヘラしていた。

人口が半分になった日本人は、誰もが家族や親せきや恋人をなくした。
しかしながら、従順な民は政府に反抗の狼煙をあげるでもなく、
TVのインタビューでは文句を言うが、あとはいつもどおりヘラヘラしていた。

そしてアメリカからの臨時放送が全ての民放、国営放送のNHKから流れた。
全てのテレビに臨時放送の文字とアメリカの大統領の姿が映し出されても、
人口が半分になった日本人は、ヘラヘラしていた。

彼は上質な布で作られたであろうスーツを身にまとい、くすんだ赤のような色のネクタイを締めて、
右手を高く頭上に掲げ、一言で叫んだ。

「ある国が国際情勢の観点、国際平和の観点、エコの観点そして私の感情、全てを鑑みても、
これからの国際社会に不要だと思うのだが、我が国のエゴで核爆弾を落とすわけにはいかない。」

「我が国の隷属地である日本の民の力と神の力を借りて、その国にひとつの審判を下そうと思う。」

「今、日本に56億4千万個のボタンを投下した。その中で唯一ひとつだけペンタゴンの核ミサイルスイッチのボタンがある。」
「これから1か月の後までに日本の民がボタンを発見し、速やかにボタンを押すことができれば、これは神の意志としてある国に
核爆弾を落とそうと思う。また、そのボタンを押した人物には、生涯で使い切れぬほどの資産と日本の統治権を渡す。」

「しかし、ボタンが発見されなかったときは、これも神の意志として、その国の存続を許そうと思う。」

それが3日前の出来事。

そして今、ヘラヘラしながら日本人は全員、せっせとボタンを押している。
アメリカへの反抗心などおくびにも出さずに、政治家も風俗嬢も会社経営者もナンバー1ホストも教師もソープ従業員も
フリーターもみんなボタンを押しては捨てて、押しては捨てての行為を繰り返していた。
ダメだったボタンにマジックなどで印(しるし)をつけておけばよいのに、他人にもそれがわかってしまうのは癪だと考える日本人は、誰も印(しるし)はつけずにみんな同じボタンを何度も何度もヘラヘラしながら押していた。

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